ジャパンC 2024【袋とじ】馬券予想に役立つ情報満載!
ー11月24日(日)更新ー
徳吉 一己
(元JRA競馬学校教官)
騎手時代の通算成績は重賞14勝を含む536勝。騎手引退後はJRAからの要請で競馬学校の教官となる。福永・池添・田辺・和田など現役騎手の半数以上が教え子であり、「鬼教官」と呼ばれた特別な存在。
秋の東京開催を締めくくる大一番、第44回ジャパンカップ。
実質的には日本馬だけで秋古馬三冠の2戦目を争うようなレースとなっていた近年とは違い、今年は久々に海外からビッグネームが複数来日。
上位人気3頭こそドウデュース、チェルヴィニア、ジャスティンパレスと日本馬が占めているが、外国馬に重い印を打つ予想家やトラックマンの多さは、皆様も実感しているところだろう。
まずは外国馬3頭、特にオーギュストロダンとゴリアットについて情報的な側面から。
ゴリアットについて、騎乗するスミヨン騎手の関係者は「オーナーや調教師が吹きまくっていることが話題だが、あれは単なる賑やかしではなく、欧州の関係者の評価は相当高い」と語る。
スミヨン騎手自身もリップサービスではなく「この馬は強い。勝てる」と自信を見せているとのこと。実は、オーギュストロダンに騎乗するムーア騎手も「ゴリアットはかなり強い」と日本馬だけでなく外国馬同士の戦いを警戒しているという。
オーギュストロダンについてはディープインパクトの後継種牡馬としてクールモアで種牡馬入りするだけに、ノーザンファームの関係者の間で今回の結果が注目されているという。追い切りを見ていた武豊騎手も良い馬だと褒めていたそうだ。
今回はエイダン・オブライエン師も来日しており、その本気度は今まで以上。「今年はレースごとの仕上がりにムラがあって戦績が安定しなかったが、今回は力を出し切れる態勢にある」とのこと。
日本の強い馬が海外、特に凱旋門賞でほとんど結果を出せていないように、ゴリアットやオーギュストロダンも能力そのものは日本馬より高くても、日本の環境でレースをしたら通用せず…ということはあり得る。それでも、近年のジャパンカップの外国馬としては情報的にも高い水準にあることは間違いない。
迎え撃つ日本馬は天皇賞・秋で衝撃的な勝ち方をしてさらに評価を上げたドウデュースを大将格に、好走例の多い3歳牝馬のチェルヴィニア、天皇賞・秋からの上積みが見込めるジャスティンパレスと続く。
とある情報筋は「もっとドウデュースとチェルヴィニアの一騎打ちのような人気になるかと思ったが、オッズ的にはジャスティンパレスとチェルヴィニアが2番人気を争うような感じになっている。これは意外だった」と語っている。
ドウデュースは既報通り、秋古馬三冠の3戦で引退予定。ジャパンカップを勝って天皇賞・秋からの連勝となると昨年のイクイノックスと同じだが、そこから有馬記念にも出走して勝つとなるとゼンノロブロイ以来の偉業となる。
天皇賞の時には陣営が「ピークのところにきている。この上ないデキ」と話していたそうだが、この中間は改めて「まだ上があった」と、さらなる上昇気配をアピール。
一方で、距離については「色んなレースを勝ってきたが、ああいう勝ち方をできたように本質的には2000mがベスト。今回は前走以上に折り合いを重視した競馬になるんじゃないか」とのことだ。
チェルヴィニアの陣営からは、最初から秋の真の狙いはジャパンカップだったのではないかという話が。
厩舎筋の関係者は「秋華賞も勝たないといけないレースではあったが、仕上がりは8.5から9くらい。今回は本当に10に近いところまで仕上がっている」と語る。
新馬戦で負けていることや、桜花賞からオークスにかけての上昇度を考えても、本質的には一度使って上向くタイプと言える。54キロで出られる3歳牝馬でジャパンカップを狙いにいくのは、近年のノーザンFの戦略の一つ。
特に、今年は主役のドウデュースがノーザンF生産ながら個人オーナーの関西馬。アーモンドアイ、イクイノックスらで秋の東京G1を席巻してきたノーザンファーム天栄陣営は「ドウデュースに好きにはやらせない」と打倒ムードだという。
ジャスティンパレスは「状態的にも前走から上向いているし、その前走は出遅れて内で狭くなって力を出し切っていない」と関係者。2戦目での上昇度の大きさが魅力で、それが人気にも表れている。
ビュイック騎手を配したドゥレッツァは「この馬が逃げるパターンもあるかも」と情報筋より。
ソールオリエンスは「中3週で使うのは初めてだが、これが良い方に出るかもしれない。以前と違って連戦で上積みが感じられる」とのこと。
シンエンペラーは「当初は有馬記念の予定だったが、おそらくオーナーサイドの要望でジャパンカップになった」とのことだが、「ローテとしては忙しいが、状態については何の不安もない」と厩舎サイド。前走が凱旋門賞でも日本馬においては好走例はある。
≪今週の重賞情報袋とじ≫
ジャパンC
2024
東京12R 芝2400m
~枠順確定版~
枠 番 |
馬 番 |
馬 名 |
騎 手 |
---|---|---|---|
1 | 1 | ゴリアット | C.スミヨン |
2 | 2 | ブローザホーン | 菅原 明良 |
3 | 3 | ドウデュース | 武 豊 |
4 | ジャスティンパレス | C.デムーロ | |
4 | 5 | シュトルーヴェ | 鮫島 克駿 |
6 | ダノンベルーガ | 松山 弘平 | |
5 | 7 | シンエンペラー | 坂井 瑠星 |
8 | オーギュストロダン | R.ムーア | |
6 | 9 | チェルヴィニア | C.ルメール |
10 | ドゥレッツァ | W.ビュイック | |
7 | 11 | カラテ | 杉原 誠人 |
12 | ソールオリエンス | 横山 武史 | |
8 | 13 | ファンタスティックムーン | R.ピーヒュレク |
14 | スターズオンアース | 川田 将雅 |
[ジャパンC]
注目の社台
グループ関連馬
ー11月23日(土)更新ー
桐 生
社台情報部の桐生です。
いよいよ今年最後の東京でGI・ジャパンCを迎えます。ダービー・オークスと同じチャンピオンコースの芝2400mで行われる唯一の古馬GIとあって、3歳、4歳、5歳の各世代からGIウイナーたちが集結しました。社台グループは、秋の天皇賞でGI・4勝目をあげたドウデュース、牝馬2冠のチェルヴィニア、さらにジャスティンパレス、ソールオリエンス、スターズオンアース、ドゥレッツァ、シュトルーヴェ、ダノンベルーガをスタンバイさせています。どんなレースになるか、楽しみですね。
社台グループ関連馬
チェルヴィニア
馬主:サンデーR
生産:ノーザンF
オークス、秋華賞とGI・2勝の3歳牝馬チェルヴィニア。ハービンジャーの産駒で母チェッキーノはフローラSに勝ちオークスで2着。半兄ノッキングポイントは新潟記念勝ち馬で、近親にサブライムアンセム、ハッピーパス、キングストレイルといった重賞ウイナーがおり、ノーザンF早来で育成されました。
ここまで6戦して2着以下に敗れたのは桜花賞のみで安定感は抜群。前走の秋華賞を制した後はノーザンF天栄への短期放牧を挟み、ジャパンCへと駒を進めてきました。あくまでこの秋の最大目標はこのジャパンCで、前走の秋華賞が8~9割とすれば今回は「10割近い」と関係者も漏らしているほど。取り巻く情報面からこれまでで一番のトーンという話です。
初の古馬が相手となりますが、斤量面での恩恵がありますからね。何よりベストパフォーマンスを出せる東京が舞台ですし、スムーズな競馬ができれば勝ち負けではないでしょうか。オーギュストロダンも来ており、世界の目が注目している一戦だけに、この馬を含め社台グループ関連馬の走りには注目です。
[ジャパンC]
重賞調教
ウォッチャー
ー11月22日(金)更新ー
≪栗東・好調教馬≫
ドウデュース
(牡5、栗東・友道厩舎)
栗東P(良)5F 69.1-53.3-39.5-11.7秒
高 島
天皇賞(秋)を制して駒を進めてきたドウデュース。1週前にはユタカ(武豊)さんを背にCWコースで終い強めに追われて6F80.9-ラスト1F10.9秒と抜群の伸びを披露し、ユタカさんもうなるほどの動きでした。
最終追いはポリトラックで古馬1勝クラスのベトルスとの併せ馬を敢行。2馬身追走する形で折り合いもスムーズ。直線では内に入り相手に合わせての併入という形でしたが、全くの馬なりで脚捌きも軽快そのもの。「1週前追いも素晴らしい動きで前回よりもさらにイイ。東京2400mはダービーを勝っている舞台で楽しみ」とテキも自信の口ぶり。
春シーズンの不振を完全に払しょくしており、GI・5勝目に視界良好と言ったところでしょうか。
≪美浦・好調教馬≫
スターズオンアース
(牝5、美浦・高柳瑞厩舎)
美浦W(稍)5F 65.8-50.7-36.4-11.7秒
神 谷
ドバイシーマC8着以来の実戦となるスターズオンアース。1週前追いではユウガ(川田)を背にウッドコースで6F81秒3-ラスト1F11秒3の時計を馬なりでマークし、最後の伸び脚は抜群。
最終追いもウッドコースで流す程度でしたが、息の入りも良さそうでしたし、心肺機能は出来ているようで「追い切り後も順調です」と陣営。ただ、「数字的にちょっと重いかも…」と陣営は漏らしていますが、東京2400mはオークスを勝ち、昨年の昨年のジャパンCでイクイノックスやリバティアイランドと好勝負を演じたベストといえる舞台ですからね。
陣営のコメントが拍車をかけ、休み明けが嫌われて人気がないとなれば、むしろ馬券的には狙い目だと思いますよ。
[ジャパンC]
馬主絡みの
重賞こぼれ話
ー11月21日(木)更新ー
赤 堀
どうも、馬主情報を専門に扱う赤堀です。
今年のジャパンCにはオーギュストロダン、ゴリアット、ファンタスティックムーンと外国馬が3頭。そして迎え撃つ日本勢はドウデュース、チェルヴィニア、スターズオンアース、ジャスティンパレスなどなど多彩な顔ぶれが揃い、どんなドラマが繰り広げられるのか、競馬人として非常に興味深い一戦になるのは間違いありません。
馬主界隈でも話題に出ることが多く、多くのオーナーさんがこの一戦に注目していることでしょう。
今年のジャパンCで馬主情報的に注目しているのは、Mテイバー、Dスミス、Jマグニア夫人&ヴェスターベルクがオーナーのオーギュストロダンです。
この一戦が現役最後となり、アイルランドのクールモアスタッドで種牡馬入りすることが決まっているオーギュストロダンですが、レース終了後に引退式が行われることがJRAより発表されました。外国調教馬が日本で引退のセレモニーを行うのは史上初のことで、これもディープインパクト産駒のラストクロップに対するJRAからの粋な計らいと言えるのではないでしょうか。
この手の馬は“お披露目”的なものもひと昔前まではありましたが、オーギュストロダンをジャパンCに送り込む理由として「長年の夢。(過去に6頭で参戦し)個人的には今まで連れてきた中で一番いい馬だと思う」と名伯楽エイダン・オブライエン師。
続けて、東京で無類の強さを発揮するディープ産駒で「この馬はスピードがあり、ストライドや動きも大きく、2400メートルという距離が得意。なので東京のコースとジャパンCはぴったりの舞台」と師は漏らしていますが、これも決してリップサービスではないようです。
GI・6勝の超大物が引退戦で選んだ父の故郷で、どんな走りを見せてくれるのか注目です。
[ジャパンC]
3つの
好走ポイント
ー11月20日(水)更新ー
本日は過去の傾向から、好走馬の共通ポイントを3つご紹介します。
この3つの好走ポイントに1つでも該当する馬は、人気問わず、好走する可能性十分。是非、注目してみてください。
2.牝馬の好走率が2倍以上
3.天皇賞秋組は人気薄でも注意
★好走ポイント【1】
3歳~5歳が中心
3歳 | [1-4-2-17] 連対率20.8% 複勝率29.2% |
---|---|
4歳 | [5-3-4-38] 連対率16.0% 複勝率24.0% |
5歳 | [4-3-4-31] 連対率16.7% 複勝率26.2% |
6歳以上 | [0-0-0-52] 連対率0.0% 複勝率0.0% |
年齢別成績を見ると、3歳~5歳が中心で、6歳以上になると成績がガクンと落ちます。
3歳馬の1番人気は[1-0-0-0]、4歳馬の1番人気は[3-1-0-0]で、4歳以下の1番人気は[4-1-0-0]で連対率100%となっています。
なお、1番人気で馬券対象を外した馬は過去10年で2頭おり、19年レイデオロが4.2倍で11着、14年ジェンディルドンナが3.6倍で4着でした。混戦の中での1番人気は疑う価値がありそうです。
対して、単勝オッズ3.5倍以下の1番人気は[4-1-2-0]と馬券対象を外していません。
★好走ポイント【2】
牝馬の好走率が2倍以上
牡馬・セン馬 | [7-8-8-120] 連対率10.5% 複勝率16.1% |
---|---|
牝馬 | [3-2-2-18] 連対率20.0% 複勝率28.0% |
馬券対象馬の数が多いのは牡馬・セン馬ですが、率で見ると牝馬が優勢。地方馬・外国馬の牝馬を除くと[3-2-2-14]で連対率23.8%、複勝率33.3%とさらに高くなります。
牝馬は牡馬・セン馬に対して2kg軽い斤量で出走可能。好走ポイント【1】で3歳馬(2kg減)が好成績なのも、斤量差が効いているということかもしれません。
牝馬同士のエリザベス女王杯ではなく、コチラに出走してきている時点で色気があるということでもあるでしょう。
★好走ポイント【3】
天皇賞秋組は人気薄でも注意
前走・天皇賞秋 | [6-3-5-34] 連対率18.6% 複勝率29.2% |
---|
前走・天皇賞秋組が中心。馬券対象馬30頭のうち14頭と、約半数を占めています。
天皇賞秋で掲示板外に敗れていた馬でも、
19年1着スワーヴリチャード(天皇賞秋・5番人気7着)
15年2着ラストインパクト(天皇賞秋・9番人気12着)
14年1着エピファネイア(天皇賞秋・4番人気6着)
など、馬券になっているのが特徴。特に上記3頭のように、条件好転と思われる馬には注意が必要です。
・ドウデュース
【★】
・ジャスティンパレス
・スターズオンアース
・ソールオリエンス
・ダノンベルーガ
・チェルヴィニア
※好走ポイントに該当した数で★をつけています。
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